優しくないっ、優しさを感じない!

優しくない、優しくしないという事





「…で、走って逃げちゃったままなんだね」

「……」

「それでかかってくる電話にも出れないでいると」

「……」

「あ、そろそろ来る時間じゃないかな?」

「れ、レナちゃんあたしちょっと図書室にでも行こうかな!」

「…うん、じゃあ私も行こうかな」


なんていう普段のあたしの口からは出て来るはずのないその行き先は、ここ数日のあたし達にとってはお決まりの行き先になっていたりする訳で。

そそくさと教室を出るあたしについて来てくれるレナちゃんは、いつもちょっと困った顔で笑ってる。今、どんな理由があってどんな現状でなんで熱心に図書室に通うようになったのかを話した所なんだけど、やっぱりかとでも言うようにその時のレナちゃんもそんな顔で笑った。

…うん。困らせてばかりで申し訳ないなと思う。思うけど…でもあたしも困っているのだ、正直レナちゃん以上に。


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