これが、あたしの彼氏です。【完】
涙色のコイゴコロ


それからの3日後。

あたしは無事に風邪を完治させ、久し振りに学校へと向かった。


「遅ぇよ」

「ご、ごめん…っ」


昨日の夜突然、矢沢君から「明日は学校くんの?」ってメールが送られて来て、あたしはそれに「うん。行く」ってそれだけを返すと、また矢沢君の方から「じゃあ一緒に行こうぜ」とそんな意外過ぎるメールが返って来てあたしはそれに少し躊躇いつつも了承のメールを送り、何やかんやで矢沢君と一緒に登校する事になったのだ。

そうして現在、小さな欠伸を漏らす矢沢君の隣をあたしはトボトボとした歩調で歩く。


「……遅ぇ、さっさと歩け」

「……え、あ。ごめん。矢沢君の足が速いんだよ」

「お前がノロいんだ」

此方をチラリと見てそう言う矢沢君に、あたしは「失礼だな」って唇を尖がらせた。
< 229 / 270 >

この作品をシェア

pagetop