Blue Spring
日常
改札をすり抜ければ、大きな夕日が沈みそう。

イヤフォンからは、青春そのものがエンドレスで流れている。

自然と音楽に足並み合わせ、桜の花びらがリズムを彩った。

玄関のドアを開けると、犬のルカがぶんぶんしっぽを振って私の帰りを喜んでくれる。
私はこれをいつも嬉しく思う。
「おかえりー」
お母さんの声と一緒に、夜ご飯の匂いが運ばれてきた。

テレビはどの局もニュースの時間。
私には関係のないような偽装問題や交通事故の話題を聞き流しつつ、スマホを眺める。

最近タイムラインで頻繁に宛先匿名の悪口を載せる人がいる。

私はその人の気が知れない。

直接言わないと何も変わらないだろう。
またそれを見て、「私のこと?」なんて思っちゃう人もいるわけだ。
心配してほしいオーラが出ていてイタいと思うけど、私がそんなこと思ったって仕方ない。

ルカが私の前にロープのおもちゃをポンと落として、私を眺めている。
遊んでくれ、というアピールだ。

私はロープを拾い上げ、ポーンと投げた。
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