神楽先生には敵わない
店内に入ればガラスに鉄の玉がぶつかる音と耳を覆いたくなるような煩い音楽とアナウンスが流れ、、日中とは思えない程の人間で席がびっしり埋まっていた。
「まだ来ないなぁ」
店内奥にある一番角の席。往年のアニメイラストが書かれた台に向かって、ひたすら玉を打ち続ける一人の男。
手元のハンドルを握り口に煙草を咥えボンヤリとしたまま、
動く玉の動きと変わる変わる流れる液晶を眺めている。
「…先生」
「!!」
その時背後から聞こえてきたワントーン低い声と殺気溢れるオーラに、
男は背筋を凍らせビクッ!と大きく反応し驚いた。
「…」
そして恐る恐る男が振り返ると、
そこには店内を隈なく探し回って、若干息切れのみちるが
般若のような鬼の形相で見下ろしていた。
「現場ほっぽり投げて何してるんですがああああ!!!!」