光 ~俺たちの居場所~
一加は仕事から帰ってくると

笑顔で俺に


「今日、初めての給料が出たの!

 今日だけ美味しいもの

 食べようと思って!」


少ない給料から

きっと奮発して買ったもの・・・。


そう、いつか一加に話した

ローストビーフ・・・。


俺が生まれて初めて食べて

もう一度食いたいと

話してたこと・・・

一加は覚えていてくれたんだ・・・。


俺は泣きながら食べた・・・。

うまいのとかその前に

自分の情けなさに

一加の優しさに

俺は涙があふれて

止まらなかった・・・。


一加はそんな俺を見て

微笑んでいてくれたんだ・・・。


一加の何気ない優しさが

やっと届いたときだった・・・。
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