大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
告白されたことを聞いた羽菜は、唇をキュッと

一瞬真一文字に結んだが、意を決したように、

言葉を発した。


「・・・その人を選ぶんですか?

・・・私なんかより、ずっとずっと長い付き合いだし」

それだけ言って目を伏せた。

…オレは溜息をつく。


「まだ付き合い出したばかりだもんな。

オレが何を考えているのかなんて、まだわからないよな」

「・・・・」



「多田さんの事はよく知ってるよ。同じ職場仲間だし。

確かに男のオレが見ても、綺麗な人だとは思う。…でもそれだけだよ」

オレの言葉に、羽菜がピクッと反応する。



「長い事、恋人なんて作らなかった。

仕事一筋で、作ろうとも思わなかった・・・。

でも、羽菜に出会って、その考えを改めた。

誰でもよかったわけじゃない、羽菜だから、恋人になってほしいと思った。

こんな歳間の親父だけどさ、羽菜は関係ないって、オレと言う人間を

好きになってくれた。…それがどれだけ嬉しかったか」


「博・・・さん」
< 64 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop