大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
目線を向けると、そこにはたたまれた仕事着が。

「羽菜も、疲れてるのに」

優しく羽菜の顔を撫でると、首を振った。


「無理を言って泊まってもらったし・・・

別にこれくらい、大したことじゃないから」

そう言って微笑む羽菜に、


「ありがとう」

お礼を言った。

…朝食まで作ってもらって、まるで新婚のようだった。

…このまま、一緒に暮らせればいいななんて思うのは、オレだけだろうか?


…間もなくして、オレは駐車場に向かった。

行ってきますのキスも、初めての経験で、思わず顔がニヤケル。

だからって、誰かにも見られないように、こっそりと。

でなきゃ、変な人だと思われかねないから。


「…博さん、顔がニヤケテますよ」

そう言ってクスクスと笑っているのは、現場に行く途中で拾った祐司。


「・・・うるさい」

オレは赤くなった顔を隠すように、頬を叩いた。

…付き合い始めてからのオレの顔は緩みっぱなしなようだ。

思わずため息をつく。


「いいじゃないですか。幸せなんだから・・・

現場監督の事も大丈夫そうだし」
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