大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
いつも、汗だくで、なんだか汚れてて、

それでも私に必死に見せてくれる笑顔が、とても好きだった。

…博さんだって、父のように、きっと一生懸命仕事をしているに違いない。


それなのに、浮気なんて疑ったら、失礼極まりない。


「私は、博さんの事信じてるからいいの」

「・・・はいはい、そうですか」

私の言葉に溜め息をついてそう言った。



仕事は終わったが、いつものエリアのお客さまからの急な連絡で、

一度そこに行ってから、直帰する事にした。

…今、博さんはあの現場にいるだろうか?

初めて出会ったあの現場の前を通る。

でもだからって、立ち寄る事は出来ない。仕事の邪魔だけはしたくないから。


・・・ちょっと、通りすがりに見るくらいなら許されるかな?

そんな軽い気持ちで現場の横を通り過ぎる。


「おい祐司!何度言ったらわかるんだ?!ここはこうしろって言ってんだろう?」

「す、すみません!」

「・・・」

初めて聞く、博さんの怒鳴り声。

忙しい上に、ミスをされて、相当気が立っているんだろう。

でも、祐司君は、めげる事無く仕事を続けていた。

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