恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
「僕も、実は今妖精が見えないんだ。


振り返ってみれば、アルバイトをしていた頃の僕はネタに詰まり、ロクに睡眠もとれていない状態だった。


でも、今はその真逆。ネタも何本かストックがあるし、ちゃんと睡眠もとれていたって健康なんだ」


と、いうことは……。


あたしと陽菜ちゃんは顔を見合わせた。


「心が不安や不満に満ちているときに見えて、心が満足していると見えない……と、いうことですか?」


あたしがそう訊ねると、美影白堵さんは「その通り」と、うなづいた。


「ただし、誰にでも見えるワケじゃない。


怪奇現象や幽霊といったものと同じで、生まれ持って敏感な人間だけが、妖精を見ることができるんだと考えている」
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