恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
「月奈さんも、アパートに来たでしょう? あの時あたし、隣の部屋にいたの」


「……うそ」


「本当よ。


あたしたちの両親ね、もう亡くなっているの。


両親は駆け落ち同然で結婚したから、御爺ちゃんや御婆ちゃんにあったこともなくて、それが原因で行き場もなくて。


でも、もう高校を卒業していたお兄ちゃんが、なんとかここまであたしを育ててくれたのよ」


そう言う秋ちゃんは、嘘をついているようには見えなかった。


「そのうちお兄ちゃんはすごくモテはじめて、歴代の彼女たちは何でもいう事を聞いてたわ。


でも、妹のあたしには冷たかった。一緒に暮らしている妹なんて、邪魔物以外に何物でもないって感じで。だけど、お兄ちゃんにとって身内はあたしだけ。


だから、結局は彼女と別れることを選んでいたの」
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