恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
「あぁ。俺たち妖精の間でずっと噂になっていることがあるんだ。北の魔女に会えば、人間にしてもらえるって」


その言葉を聞いた瞬間、あたしの脳裏に美影白堵さんの書いた童話がよみがえってきた。


3つの宝石を魔女へ渡すと、人間になれる妖精の話。


「それ……信憑性のある噂なの?」


「……わからない。でも、俺たちが人間になるには、それしか方法がないと思うんだ」


美影は、まっすぐにあたしを見つめる。


本当かどうかわからない噂だけれど、それにすがるしかない。
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