恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
猫の首輪にでもひっかかっていたのだろう。


あたしはそれを手に取り、光にかざしてみた。


透き通った、宝石のようだ。


そうこうしている間に、猫が起き上がり、チリンチリンと鈴を鳴らしながら来た道を走って帰り始めた。


この石は飼い主さんの持ち物かもしれない。


返さなきゃ。


そう思って「ちょっと待って!」と、声をあげると、猫が一瞬立ち止まり、こちらを振り向いてから、また走りだした。


「あ……行っちゃった……」


あたしはポツリとつぶやき、猫が残していった石を見つめたのだった。
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