Salty blood
始まりの一夜
『わたしのこと…好き…?』

薄暗い部屋…。
軋むベッドの上で私は彼に問いかけた。

『愛してるよ…。』

耳元で囁かれた、愛のない言葉…。

深いキスを交わしながら、彼の手が私の身体を優しく撫でる。

絡み合う舌…。

互いの唾液が混ざり合う音が響く…。

『んッ…』

呼吸の合間に少しだけ牙を突き立ててみた。


濃すぎ…。
だめ…好みじゃない。

『噛みつくほど…気持ちいいの…?』


口唇を少しだけ放し、口の端を伝う“混ざり合ったモノ”を軽く拭いながら彼は私に聞いた。

そんな彼に私は上目遣いで頷いた。

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