俺様社長の言いなりです
「クックック。翔さん、翔さん」



照れたりする社長なんて初めてみた。



こんな人間的な所もあるのだと思うといじらしくって、自分で変な節をつけて歌いながら名前を呼ぶと、



「黙っとけ」



そう言って私の口を塞いだ。



突然のキスに驚いた私は抵抗する間もなく、社長のペースに流されてしまう。



あっけなく社長と私の立場が逆転したのだが、社長はそっと私から唇を離すと、



「色気ねえな」



なんて言いながら、頬をこれでもかという程捻った。



「ははひてくだはい (はなして下さい)」



必死に頼むも、



「ん?なんだって? 」



と聞き返す始末。











(びっくりした)


社長がどんな気持ちでキスをしたかなんて、私には分からない。
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