嘘偽り嘘偽り…
タイトル未編集
「げほっ…げほっ……」
アイツは産まれた時から病気だ。
それも死んでしまう病気。
だからこの世界を知らない、知ろうともしない。
だから俺は一緒に見てみようといったんだ。
この世界を知ろうと、そう言ったんだ。
だけどアイツはこう言った。
「どうせ消えちゃうなら知りたくない」って。
俺はアイツが消える前にこの世界の良さを知ってほしかった。
泣きもしなければ笑いもしないアイツに…俺は、アイツに幸せを教えてやりたかった。
……でも、今思えば、俺がもしアイツの立場になったとしたら、不愉快極まり無い行為だったと思う。
こんな…自分を受け入れてくれない世界、たった一人だけ、打ち消そうとする世界…嫌いなハズだ、憎いバスだ。

…こんな世界、俺も嫌だ。
それと、病気で苦しむアイツも嫌だ。

だから、どうしても俺は……

俺は、あの子を受け入れてくれる世界で……


一緒に……


???
「………」
クラクラとする、気がついたら俺は色の付いてない世界に居た。
???
「やぁ、目が覚めたようだね。」
見知らぬマスクを付けた人がいきなり話しかけて来た。
???
「ははは、ごめんね、自己紹介がまだだった!僕はユミエル!!君は?」
???
「……俺は…オージ」
ユミエル
「へぇ、オージ君かぁ、そういや、この部屋の外で、君に会いたがってる女の子が居たよ?」
オージ
「…………」
1つだけ心当たりがあるとしたら…

ガラッ…

???
「…目覚めたか、オージ、俺だよ…」
あれ…記憶にあるんだけど……無い……?
???
「フフッ、俺の事はわからないよな…いいよ…それが正解さ…」
そこまでいうと得体の知れない女は少し哀しそうな嬉しそうな顔をして白黒な辺りを見渡す
少しすると部屋から人が出てきた
ユミエル
「あ…貴方はもしかして……」
何やら驚いているようだ。
この女とユミエルというやつは知り合いなのだろうか。
???
「……あぁ、そうだね…アンタが想像してる人物で当たってると思うよ…この子にこの世界の案内を宜しく。」
そう一言だけ言い残し、あの女は消えていった。
なんて他力本願な女なのだろう。
オージ
「………」
ユミエル
「…まさか、神に出会えるなんて……」
オージ「………?」

ユミエル「そういえば君!!なんだか神に好かれてたみたいだね!!良いなぁ、神に好かれてるなんて…!」
…神とは一体なんなのだろうか。
そんなものが実際に存在するのだろうか、気づけば俺の体は軽く、今まで苦しんでいた病気がまるで嘘かのように…症状は何処にもなく、薬を飲む必要も無いようだった
オージ
「……。」
…俺は死んでしまったのだろうか。
ここはあの世なのだろうか、それとも夢なのだろうか。
ユミエル
「ねぇねぇ、聴いてる???」
気がつくとあの女は綺麗さっぱり居なくなっていた。
そしてユミエルがこちらを見ている。
ユミエル
「君、この世界に来たのは今日だったよね、神もいってたし、この世界を案内させてくれる?」
……この世界………。
これは俺が現実逃避をしている夢なのだろうか……。
続く
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