ラヴコリーダ
「その…」

わたしの口から呟くような声がこぼれたかと思ったら、
「1人に、なりたくないんです」

とんでもないことを言い出していた。

大学時代から1人暮らしをしているから、1人でいることには何の抵抗もなかった。

だけど…わたし、今何て言った?

何気にとんでもないことを口に出したよね?

「仕方ないな」

その声に顔をあげると、部長はソファーに腰を下ろしていた。

「そばにいてやってもいいが、寝るのはソファーの方だからな?」

部長はソファーのうえで横になった。

「狭いシングルで一緒って言うのは無理があるだろ」

部長はプイッと、わたしに背中を見せた。
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