真っ直ぐ歩けばー星ヶ丘高校絵巻ー
うわあ、最悪…

ぶつかったらしい相手の体が目の前に

あった。

名札の下に濃紺のライン。

遠野、と書いてある。


三年生だ。

「すっ、すみません!」

深々と頭を下げてから起き上がると、

あたしの目の前にやたらきれいな顔が

あった。

切れ長の目に少しかかるくらいの

長めの前髪。

薄い唇。

「大丈夫か?」

その人は、静かな声で言った。

あたしがぼんやりとしてる間に、その人

は腰をかがめて、あたしがぶちまけた

ノートやらを拾ってくれた。

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