真っ直ぐ歩けばー星ヶ丘高校絵巻ー
あたしたちに気づいた三年生が、何人かこちらを見た。

福田センパイが、手を振り返してくれた。

他の男子が、何人か調子に乗って手を振っている。


背の高いあの人も、振り向いた。

あたしの頬がかっと熱くなる。

が、その人はすぐに興味を失ったように、また顔を戻してしまった。

「ちょっとリカ、まじふざけんなってー。」

低い声で言って睨むと

リカは少しも悪びれず

「ごめん、ごめん。」

と言って、あたしの頭をポンポンと

叩いた。

「で、誰だってー?直子ちゃーん。」
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