2人のユウト
「言われてた?
誰に?」
「・・・言えません・・・・・」
何かに耐えるように、ますます顔を長い前髪で隠そうとする水門。
当時は名前なんて知らなかったけど。
「言えねぇわけねぇだろ?」
「言えないんです・・・」
「もっとハッキリ話せよ」
「無理です・・・僕には」
頭を下げたそいつは、バケツを両手で抱えながら走って行ってしまった。
これが水門との出会い。
そのあと遼平に呼ばれ、あいつにカツアゲした。
まぁ水門は金なんて出さなかったけど。
理事長の息子だと気が付いたのは、もっと後の出来事。