2人のユウト




「幸菜は俺の彼女だろ。
浮気したら、許さねぇから」



 そっか・・・。



「もしかして幸菜、水門のこと好きなわけ?」



 え・・・?


 私が、水門くんを、好き・・・?



「わからないよ・・・」


「そっか。なら良いけど。
俺は幸菜のこと好きだから。忘れないで」



「ねぇ、勇都くんのその好きって、本当なの?
私のこと、本気で好きなの?」



「本気で好きなの、だと?
お前、俺のこと馬鹿にしてんのか?」



 いきなり立ち上がり、私を屋上の柵にもたれさせる。


 もう少し強く押したら、私転落しちゃいます。



「いやっ・・・!」



「お前みたいな地味な奴、この俺が本気になるわけねぇだろ?
俺は今後誰とも付き合わねぇ。
テキトーな関係で終わらせる」



 そんな・・・。


 悲しくないのかな?







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