2人のユウト




 1人だけ・・・?


 もしかして、モモさん?



「モモさんのこと?」


「そう。俺は今でもモモのことが好きだ。
アイツは自分を犠牲にしてまで俺を守った。
本当は俺がモモを守らねぇといけねぇのにな」



 そうだ・・・。


 モモさんは、父親に恋人を殺すぞと脅されたんだ。


 その恋人が、勇都くんなんだ。



「俺はモモ以外愛さねぇよ。
愛されても、愛さない。
・・・幸菜、お前でもだ」



 勇都くん・・・。



「ねぇ・・・。




何があったの?
モモさんと、勇都くんの間には」




「・・・長くなるぞ?
授業も2時間ぐらいは欠席になる。

それでも聞くか?」


「うん・・・聞きたい」



 私が頷いたのを確認した勇都くんは、空でもない、どこか遠くを見ながら話し始めた。








< 231 / 368 >

この作品をシェア

pagetop