2人のユウト
することもなく、ボーっとしていると。
「・・・日下さん?」
懐かしい声が入り口の方からした。
「水門くん・・・?」
「どうしたんですか?
日下さんの担任、日下さんを探していましたよ?」
「・・・良いの」
「良いんですか?」
「うん・・・だって、わからないもの」
「・・・何がですか?」
「・・・・、勉強が!」
自分の気持ちがわからない、なんて言えないよ。
だから、勉強って言っちゃった。
間違いじゃない、紛れもない真実だから。
「・・・そうですか・・・・」
「そうなの・・・。
教えてくれる人、いなくて・・・」