2人のユウト




 することもなく、ボーっとしていると。





「・・・日下さん?」



 懐かしい声が入り口の方からした。



「水門くん・・・?」



「どうしたんですか?
日下さんの担任、日下さんを探していましたよ?」



「・・・良いの」



「良いんですか?」



「うん・・・だって、わからないもの」



「・・・何がですか?」




「・・・・、勉強が!」



 自分の気持ちがわからない、なんて言えないよ。


 だから、勉強って言っちゃった。



 間違いじゃない、紛れもない真実だから。



「・・・そうですか・・・・」


「そうなの・・・。
教えてくれる人、いなくて・・・」







< 255 / 368 >

この作品をシェア

pagetop