2人のユウト




 ま、答えは決まっているけどね?



「喜んでお受け取りしまーす!」





 私が言うと、優斗は優しく微笑んだ。


 格好が前と変わっていないのは、もし眼鏡を外してしまったら、優斗が他の女の子たちのモノになってしまうんじゃないか、という私の勝手な被害妄想の果ての格好。



 本当は眼鏡を外しても良いんだけどね。



 女よけってことですよ。




 優斗は何故か私に眼鏡をかけろって珍しくしつこかったけど。


 私は無視した。(ごめんね?)





 私より少し背が高い優斗を見上げていると、優斗は恥ずかしそうに笑っていた。


 相変わらず、可愛さは健在です。




 優斗に関する変化といえば。


 やっぱり、年中長袖だった制服だろう。


 校長の身勝手で自己中な理由で長袖をやむを得ず着ていた優斗だけど、今は初めて見た半袖の姿。


 見える傷は、今だ痛々しいけど、半分治りかけているので、本人の希望で半袖を着用している。





 私の勝手な判断かもしれないけれど。



 優斗の心の傷自体は、今だ治っていないと思う。




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