絶対に好きじゃない!!!!!!!!〜大っ嫌いなアイツ〜
「きゃーーーー奏多様ぁー」

女子の黄色い声がやかましく耳を塞ぎたくなる

本条くんが走っている…
ただそれだけなのに?

「本条くん頑張ってぇー」

樹里や他の女子たちは一生懸命に応援している

あー暇だなぁ…
何もするコトないし…
本条くんって運動神経いいんだぁ

「萌っ次は小鍛冶くんが、走るらしいよ」

「えっ」

アイツの名前を聞くたびにドクッと胸が高鳴る
わたし最近ホントにおかしい。
アイツの顔を見るたび声を聞くたびにドキドしてる…
嫌いって思っているのに…ムカつくと思っているのに…
それ以上に何か他の気持ちがあるような気がする…


「……」

「萌?顔色悪いけど…気分悪くなった?」

心配そうに私を見る樹里

「あっ…ごめんちょっとボーッとしてしたよ」

「ならいいんだけど…あっ、始まるよ!」

「位置について」

スターターがピストルを構える
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