俺の妹が可愛すぎて。


ソフトクリームを食べあいっこして、笑ってたおかげで、あたしの頬に濡れた涙はいつの間にか乾いていた。


ユキちゃんはいつもあたしが悲しい時や辛い時、助けてくれる。

すぐ笑顔にしてくれる。


あたしにとってはスーパーマンより頼もしくて……

だから……

時に独り占めしたくてたまらなくなって……


ヤキモチだって妬いちゃう……。



「……ねぇ、ユキちゃん」

「……ん?」

「……透子ちゃんと何か乗ったの?」


あたしが松丘くんと二人でいた時、ユキちゃん達は何してたんだろうって疑問に思って訊いた。


「え、あぁ〜、なんか透子、絶叫マシン苦手みたいで、でもお化け屋敷なら大丈夫って言うからお化け屋敷入った。でも、透子、超ビビってたけど」



……え〜……お化け屋敷…?

けっこう……密着するんじゃ……。



「……優花は?晴となんか乗った?」


そうユキちゃんに訊かれて、またさっきの出来事を思い出して、言おうかどうか迷った。


そのあたしの迷いに、ユキちゃんはすぐ察知したようだった。


「……優花?……ごめん…。優花、言いたくなさそうだから、流そうかと思ったけど、やっぱ気になる。

……さっき……なんで泣いてたの?」



ユキちゃんがあたしの為に気遣ってくれていて、

あたしのことを気にかけてくれていることが純粋に嬉しかった。


ユキちゃんの優しさが、あったかい。



「……松丘くんと観覧車に乗ったの。

上から見れば、ユキちゃん達見つけられるかもしれないって思って。

……でも、あたし高い所苦手だって忘れてて……

……怖くなって目閉じてたら、松丘くんがあたしに……キスしようとしてて……

キスされる前に目開けたから、大丈夫だったんだけど……ビックリしちゃって……」


別に松丘くんにキスをされたわけでもないし、嫌なことをされたわけでもない。


でも、どうしてこんなに話すことに勇気がいるんだろう……。


多分透子ちゃんなら、もう少し楽に話せることなのかもしれない…。


多分、今、話してる相手がユキちゃんだからだ。



ーーーあたしの、好きな人だからだ。





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