俺の妹が可愛すぎて。


「……肌、しっろ。身体、ほっそ…「ボインじゃん!」


ブツブツ呟いてた俺を晴が遮る。


「透子よりデカいじゃん?俺、諦めるのやめようかな」

「……はぁ?お前、胸で決めんなよ」

「うぉお。ユキが怒った」


そりゃ、怒る。

こっちはただでさえ、『兄妹』ってハンデがあんのに…贅沢ばっか言いやがって。


「……ユキたち、泳がないの?」


晴の言動にムカついた俺は、晴の両ほっぺをつねりながら伸ばして、晴をいじめていた。

そうしている間に、透子と優花が俺らに近づいていたらしく、そう声をかけられるまで気づかなかった。


「え?……あぁ。晴が肌焼きたいって言うから付き合ってるだけ」


そう言いながら、チラッと優花を見ると少し目が合ったけど、慌てた感じでそらされる。


そう、あからさまにそらされるとけっこう凹むんですけどー……。


「……俺、ジュースかなんか買ってくるわ」

「あ、ちょっと行ったところにかき氷売ってたよ」


立ち上がった俺に透子が声をかける。


「あ、マジで?じゃあ買ってくるわ。晴、何がいい?」

「ブルーハワイッ!」

「透子は?」

「あ、あたしも一緒に行くよ。場所わかんないでしょ?」

「あ、うん。……優花は?」


そうさりげなく、自然に訊いたのに……


「…う、ううん。……あたしはいらない」


優花は不自然に目も合わせないで答えた。


「………じゃあ、透子行こ」


優花の不自然さに心ん中でまたため息が出た。


俺が自然に接しようとしてんのに、優花はまるで逃げるようにしてる気がして。



『合宿中に、どうにかする』


風馬たちに、そう宣言したからには絶対何がなんでもどうにかしてやる。


ちゃんと、優花の目を……

俺に向けさせる。




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