俺の妹が可愛すぎて。


彼女は、一応、俺の『妹』の優花。


歳は同い年だけど誕生日が俺は6月、優花が12月。

それによって、俺がこの家では1番兄ちゃんってことになった。


「……優花には優しいんだな〜? 『おはよ♪』なんてさ。俺には一個も優しい言葉かけてくんねぇのに」


ブツクサ言いながら、一生懸命鏡に向かって髪の毛をセットする風馬の髪を、俺は「うるせぇんだよ、マセガキはよぉ〜!」と言いながら、グチャグチャにしてやった。


ほんと、マセガキ…。

優花に対しても、実の姉貴だというのに呼び捨てで呼ぶし。


「……朝練?」


洗面所の順番を待つ優花が、俺に訊く。


「うん、朝練。もう母さん達、仕事行ったから、戸締りだけ頼むな?あ、ご飯簡単だけど、テーブルに優花の分置いてるから」


そう言うと、優花はふんわりとした笑顔で「ありがとう」と言った。


その笑顔にもう、何回ドキドキさせられてるんだろう。



「じゃあ、俺行くな。風馬も早くしろよ。遅れたら、お前腕立て100回だからな」


風馬は俺がグチャグチャにした髪の毛に、「ユキ、マジありえねぇ!」と泣きそうになりながら格闘していた。

そんな風馬をほって行こうとしたら、


「ユキちゃん!」


優花に呼び止められた。


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