俺の妹が可愛すぎて。
* * *
次の日の放課後、ユキちゃんと一緒に帰ることになった。
一度は断ったのだが、ユキちゃんがおばけかどうか確かめたいからどうしてもと言っていた。
気まずくなってしまったあの二人きりの夜の日から、あたしとユキちゃんが一緒に帰ることはなかったからすごく久々だった。
「ごめんね……。透子ちゃん、大丈夫だった?」
学校の最寄り駅までは松丘くん、持田くん、透子ちゃんが一緒だったけど、駅からは逆方向になる為、必然的に分かれてしまうのだけど、やっぱり透子ちゃんはいい気分はしないだろう。
『これ以上、ユキに関わらないで』
あの時言われた透子ちゃんの言葉と表情が、あたしの脳裏にはっきりと残っている。
「んなの、気にすんなよ。どうせ、透子たちは逆方向なんだし。ってか俺と優花は同じ家なんだから、普通のことだろ?」
「……うん……そうだけど…。でも…やっぱり透子ちゃんはいい気分しないんじゃないかな…」
そう言って俯いたあたしの頬に、ユキちゃんの手が触れて、ドキッとした。
「……また泣きそうになってる」
ユキちゃんは優しく微笑んで言った。
そんな優しい顔で笑われたら……
余計、泣きそうになるのに……。
「……優花の泣き虫」
ふっと優しく笑ったユキちゃんがあたしの頭をクシャと撫でる。
その手が愛しくて、あったかくて……
揺れる電車の中、あたしの中で思いが強くなった。
ユキちゃんに……
あたしの思いを伝えたい。
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