俺の妹が可愛すぎて。


「……その節は、大変お世話になりました。

これも全て風馬のおかげでございます」



俺と優花は風馬の部屋で、ベッドであぐらをかく風馬に深々と頭を下げていた。


「……そうだよ、ったく。見てるこっちはじれったくてじれったくてイライラしたし」



修学旅行が終わった翌日、まず風馬には報告しなければならないと、優花と2人で風馬に全てを伝えた。


もちろん…

父さんとのことも。


全てを話し終えると、あぐらをかいて偉そうに腕を組んだ風馬が「まず、協力して支えてもらった者への謝罪とお礼がないみたいなんだけど」とか言い出すから、こうして優花と二人に正座している…というかさせられてる?


「……あ、ユキはちゃんと床におでこつけるくらい頭下げてもらわないと…」


完全調子乗った風馬がアホ言うから、俺は正座を崩して、風馬の頭を小突く。


「調子のんな、バカ」

「いって。…すぐ暴力振るう!優花、きをつけろよ、こいつDVかもしんねぇぞ」

「……アホ」


優花はそんな風馬と俺を見て笑っている。


両思いになってから、両思いになる前よりも優花の笑顔見たら、とろけそうになるこの顔をマジで誰かなんとかしてほしい。


「……で?……マジで親父さんと暮らす気?」


さっきまでふざけてた風馬が急に真面目になる。


「……うん…。……とりあえず…その方向で母さん達に話すつもり…」

「……んなに、早く決断しなくてもいいじゃん。……なんか急いでんの?」

「……急いでなんかねぇよ。……俺の性格知ってんだろ?……なんかコソコソしてんのが嫌なんだよ。……まぁ、それに…父さんにも…どうするか返事しないといけないのもあるし……」

「………」

「……それに……いい加減なつもりで優花と付き合うんじゃないって、ちゃんと伝えたかったから」


そう言うと、風馬の真面目だった顔がニヤッと怪しい笑顔に変わる。


「……なにそれ(笑)……プロポーズ?」


風馬がそう言ったことで、優花の顔が赤くなっていく。

恥ずかしさのあまり、だんだん顔が俯いていく。


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