俺の妹が可愛すぎて。


「……まったく、裏でコソコソ息子と会わないでくれる?……ユキはあたしの息子でもあるのよ?」



父さんと初めてあった喫茶店。


父さんと話をしに行くというと、母さんが「あたしも行く」というから、俺の記憶の中では初めて一応家族の三人がこうして集まった。


母さんが腕組みをして、父さんにそう言うもんだから、父さんはちっちゃくなっていた。


「……悪かった。……まずはでも、ユキの気持ちを知りたくて…」

「……あたしの気持ちはどうでもいいわけ?……あなたの血の繋がった家族はユキしかいなくても、あたしにだって血の繋がった家族はユキしかいないの。……家族より…仕事をとったのはあなたでしょ…?」

「……そ、それは…だから……」

「……知ってる。ユキから聞いた。…あたしの勘違いだったって」



俯いていた父さんがビックリして顔をあげる。


「……ユキから聞いて気づいたんじゃない。……もともと…わかってたわ」

「?!…だったら…」

「……勘違いしてるのは、あなたでしょ?」


変わらず腕組みして話す母さんはキリッと父さんを見て話していた。

…やっぱ母さんは強いって俺まで若干ビビった。



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