俺の妹が可愛すぎて。

俺は母さんとの二人暮らしだった。

父さんと母さんは、俺がまだ小学生の時に離婚した。

父さんの浮気が原因だったと、中学生の時に母さんに訊かされた。


その母さんが再婚すると俺に話したのが、二ヶ月前のことだった。








ー 二ヶ月前 ー



「へぇ〜実里（みさと）さん、再婚するんだ？」


昼休み、学食を食いながら幼なじみの晴（はる）に母さんのことを話した。

晴とは幼稚園からの幼なじみで、家にもよく来て遊んだり、一緒にご飯を食べたりしていたから、母さんのことも、もちろん、母さんも晴のことをよく知っている。

ただ、俺の友達から『おばさん』と言われることを極端に嫌う母さんは、『実里さん』と呼ぶように教育していた。


「……昨日ご機嫌で帰ってきたと思ったら『プロポーズされちゃった♪』とか行って部屋じゅうスキップしててさぁ、いい歳してんのに」

「いい歳って言ったって、３７歳だろ？若いじゃん。実里さん、見た目だってどう見たって、３０歳くらいだしさ。あんなに若くて綺麗なんだから、いつまでも独身はもったいねぇよ」


母さんがその言葉を訊いたら、多分スキップどころじゃ済まねぇだろうなぁと思いながら、定食の味噌汁を啜る。


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