俺の妹が可愛すぎて。


すると、それを聞いていたのか風馬の同級生が近づいてきた。


「風馬!凄いじゃん!篠原先輩にスカウトされるなんて!」


聞き覚えのあるこの声は……


「あ、この前の……」

「あ、はい!すみません、自己紹介が遅れてしまって…関口 航平(せきぐち こうへい)です!」


球技大会の時、俺をめちゃくちゃ褒めてくれた風馬の友達だった。


「風馬、すっげぇよ!マジ、すっげぇ!」


関口がそう大声で興奮することで、周りの生徒達が集まり、関口が集まった生徒たちに風馬の現状をあーだこーだと説明していた。

すると事情を知った生徒たちは、俺の偉大さ(←?)と風馬の現状に、関口同様興奮していた。

ザワザワしているこんな状況では、風馬はもちろんノーとは言えず。



「わかったよ、サッカー部に入るよ」


建前では嫌々、でも本心は嬉しくてたまらない…そんな風馬の返事が返ってきた。


それから風馬には俺がケガで先輩の引退試合に出れないこと、その引退試合に俺の代わりとして出てほしいことを、持田と俺から説明した。


そして予鈴が鳴ったので、俺たちが教室へ戻ろうとした時……


「あ、あ〜……ユキっ!」


風馬に呼び止められた。

初めて名前で呼ばれて、なんだか一瞬だけ泣きそうになった。


「…ん?」


本当は嬉しくて嬉しくて、風馬を抱きしめてしまいたいほど嬉しかったけど、気持ち悪いと思われそうなので、平静を装う。



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