あなたが作るおいしいごはん【完】
***
そんな
“寝耳に水”、“青天の霹靂”は
お正月三が日のラストになる
1月3日に起こった。
実業家の父靖雄は
自身がプロデュースしているお店へ
朝から新年の挨拶に出かけていた。
年子の弟で
当時高校2年生だった靖英も
同じ高校へ通う同級生の彼女と一緒に
午後から初詣へと出かけていった。
高校3年生だった私は
推薦で短大進学も決まっていた為に
受験勉強もなく
父や靖英のように
この日は外出する予定もなかったから
自宅で一人
《お雑煮》を作って食べた後
居間のソファに座って
図書館で年末に借りた本を開き
読書を楽しんでいた。
ベストセラーにもなった
泣けるほど感動するラブストーリー。
ゆるりと流れる至福の時間の中で
感動で泣きそうになるのを堪えながら
読み進めていた時
…〜〜〜♫〜〜〜♫〜〜〜♫……
突然私の携帯が鳴った。
着信音でわかっていたけど
画面をチェックすると
やはりかけてきたのは父だった。
…折角いいところだったのに。
そう思いながら私は
“ピッ”と通話ボタンを押して応答した。