愛すと殺すと

「死なないで。

私は布留が好きだから」



いつかも喋った言葉を、もう一度口にした。


そして、





「―――ごめんなさい。


これからは、ちゃんと布留と菅原を解る」





付け加えた。



「…ったく、先生は俺が本当に好きだね」



こいつもまたいつかの言葉。


そして





「解ってよ。先生が生涯出会った大人で、一番好きなんだからさ」





こいつもまた付け加えたのだ。







「(あぁやっぱり、私は布留が好きだなあ)」




旦那に言ったら殺されるな。




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