LOVEFATE~理由~

「家族である蘭子ならば、
戸籍謄本の附票を英梨の分も取得すれば、
現住所を知る事くらい難しくはないだろ?」




私は家を出てすぐに、
住民票を今の部屋に移していた


そこから、分かったんだ




「英梨の両親や俊太には言ってないけど、

俺や蘭子は英梨がこの3年間どうやって生きて来たのか全く知らないわけじゃない」





“――3年振りに急に私に連絡して来て、
いきなり姉面しないでよ!
この3年間、私がどうやって生きて来たか知らないくせに!――”



私、蘭子ちゃんにそう言ってしまった





「英梨、蘭子はお前の事をずっと気に掛けていた。

それは、離れていても、連絡が途絶え会えなくても、
蘭子は英梨が可愛くて仕方ないんだよ」



「――うん」



「英梨、この離れていた3年間だって、お前は一人じゃなかった。

お前は一人じゃないんだからな」




私は一人じゃないんだ



そんな単純な言葉なのに、
胸が一杯で泣けて来る





< 519 / 728 >

この作品をシェア

pagetop