刹那の笑顔

みのりと復讐



キキーーーッ!

鋭い音が刹那の家の前ではしる。


「刹那!!!


俺だ!遼誠だ!!!」


遼誠は自転車を投げ捨てインターホンを押しまくる。

すると、程なくして刹那が家の扉を開ける。

現れた刹那の顔は、ひどく疲れていた。


「泉山君……。





来てくれて…ありがとう。




ごめんね、ちょうど小泉さんが運ばれたところ…。







小泉さんの奥さんが付き添ってくれたんだけど…。


どうしよう…。

わたしのせいで!!!!


どうしようっ!泉山君!!






これで、もし小泉さんが亡くなってしまったら……、






わたし、わたし……










また、知り合いの…大事な誰かを失うの!?



そんなの嫌!!


なんで!?





なんで、わたしの周りのっ…!!」


急に泣き崩れる刹那を見て、遼誠はそっと刹那のことを抱きしめる。


「落ち着けよ…。







まだ、死ぬなんて決まってないじゃんか。







大丈夫…大丈夫。









小泉さんは、元気に戻ってくるよ」


鉄仮面だと思っていたのにこんなにも感情をあらわにしている刹那は、初めてだった。
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