僕らの恋に永遠の名を。
私も早く教室行かなきゃ。
2年生の教室は二階だから、階段を上がらないといけない。
…当たり前だけど。
上靴に履き替えて、階段をゆっくり上がっていく。
また疲れちゃうから。
クラスはF組。幸い、階段から一番近いクラス。
私はいつも、教室に入ったらHRまで読書をする。本は別に好きじゃないけど、することもないから。
昨日の続きを考えながら席に着く。
そこで、やっと教室内が騒がしいことに気づいた。
あ…。
クラスのひと…、主に、女子が、ある人物に群がっていた。
そのある人物は、
「あ、葉月。来たか」
「先輩…?」
二階堂先輩だった。
歩くの早いのかな?
学校着くの早い。
いやいや、そんなことよりも。
群がっていた女子の間から抜けてきたから、
クラスの女子の大半から注目されていた。
「ど、どうしたんですか?」
どうしたんですか、ってそんなの、さっきのことに決まってる。
「どうしたんですかじゃねんだけど」
せせせ、…先輩、なんでそんな怒って…?
「え、え…」
「心配したんだけど」
…?
ホントに文字通り、ぽかん、とした顔をしてしまった。
心配…?
「え…」
「え、じゃねぇの。心配するからやめろよ、
あーゆーの。じゃあな」
それだけ言って、先輩は、あたしの頭をポンッとして行ってしまった。
…なにそれ。
…なんですか、それ…。
顔がだんだん熱くなる。
そんなの…、そんなの…ずるい。