16歳のWedding
Happy Birthday&Wedding?
15歳、最後の日。


ピンク色のカーテンの向こう側から輝く右側が少し欠けた月を眺める。


夜空は雲一つ無く、星たちも爛々と自分の存在を認めて貰おうと光っているように見える。


明日も晴れるだろう。


自分の誕生日が晴天なんてのは幼心ながら嬉しく思う。


机の上のラメが光る割と新しい櫛を手に取り、髪にゆっくりと絡ませた。


明日で、私も16歳。


もうお子様とは言えない年になる。


頬を綻ばせながらコームと櫛を交換し、前髪を梳かす。


ああ、ちょっと伸びてきたなぁ。


今度は伸ばしてみるのも良いかな、と思いながらコームを机に戻した。


後1時間で16歳。


明日は何して過ごそうかな。


一つ伸びをして欠伸を漏らす。


もういい時間だ。


窓を閉めてガラス越しの月をもう一度だけ眺める。


しっかりと目に焼き付けてからカーテンを勢いよく閉め、ベッドに飛び込むようにして潜り込んだ。


その拍子に枕の傍にあったリモコンが部屋の電気を消す。


消す手間が省けた、ラッキー。


布団を首までしっかり被り、ウキウキ気分のまま目を閉じる。


そうすればまるで魔法にかかったように急激に睡魔が襲う。


目に焼き付けた月と星を弾んだ気持ちで眺めながら意識を落としていった。


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