ただあなたに逢いたくて

泉と和海




いずみとわかれてから俺は家に帰った

「ただいまー」

「あ、おかえり。泉」

「和海、いたのか。」

和海は病院からもらった飲み薬を飲みながら頷いた。

和海は俺の双子の弟。

顔がそっくりすぎて母さんもよくどっちがどっちなのか迷ってしまうほど。

フツー自分の子たち迷うかー?とか思うけど…

和海は生まれつき体が弱く小さい頃から手術や入院を繰り返していた。

だから和海はいつもあんまり家にいない…

だから久しぶりに会うと話ずらい。



ずっと沈黙が流れていた。

「母さんたちは?」

和海に思い切って話した。

「買い物。」

「そっかー」

なんでよりによって和海がいる時に二人で買い物してんだよ。

あ、そっか。
今日は和海が帰ってきたから買い出ししてんのか……

また沈黙が流れた。

和海はリビングのソファーに座って俺はダイニングのイスに座った。

突然、和海が沈黙を破った。

和海は俺の顔を見るなり
「すごい焼けてるね。」

「え?そうか?」

あー。
ほぼ毎日野球してるからかー。

「いいなー泉は…外で思いっきり遊べて。なのに俺は……」

和海の顔はだんだん曇り始めた。

「和海が元気になったら一緒に野球しようぜ!」

「そうだな……元気になったら…な…」

和海は悲しそうに笑った。






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