コイツ、俺の嫁候補。
「片霧くんは進路どうするって?」

「あ、そういえば」



那央にはまだ聞いてない。

ちょっと前に那央のクラスの女子が言ってたことも気になるし、今度聞いてみよう。





「──進路?」



新年一発目のカセイクラブで、今日もサボりの陸と海以外のメンバーで作ったお雑煮を食べながら、あたしは那央に聞いてみた。

びにょ~んとお餅を伸ばしていた那央は、もぐもぐと口を動かしながら考える。



「んー……考え中」

「あれ、そうなの? だってこの間──」



あんたのクラスの女子が何か知ってる感じだったよ?と言おうとすると。



「あぁぁ藤丸! お餅がありえないくらい膨らんでるわ! あ、あ、破裂するー!!」

「落ち着いてください、カレン様。お餅とはそういうものです」



トースターで焼くお餅を初めて見たのだろうか……

キャーと騒ぐカレンさんを、至極冷静に宥める藤丸先輩。

おかげで言うタイミングを逃してしまった。


「縁は?」と逆に聞かれ、力無く首を横に振るあたし。

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