コイツ、俺の嫁候補。
石になったように固まるあたし達。

それに気付いたカレンさんが、キョトンとしながら言う。



「あら? 言ってなかったかしら。私達二人で留学するのよ」

「「りゅ、留学ーーっ!?」」



雄叫びを上げる、ネクラ以外のカセイクラブ一同。


聞いてない聞いてない!

しかも二人でなんて!!



「ふ、藤丸先輩も一緒に行くんですか!?」

「当然だ。カレン様の行く所はどこへでもお供する」



えぇぇ、何なのこの二人!!

海外まで一緒に行っちゃうなんて、絶対ただならぬ関係でしょう!?


唖然とするあたし達をよそに、カレンさんは微笑みながらしっとりとした声で言う。



「だから、しばらく皆とはお別れね。会えなくて寂しいけど、皆との思い出がたくさん作れたから、それを糧にしていくわ。
あなた達のおかげで、毎週とっても楽しかった」



本当にありがとう、と。

潤んだ瞳をキラキラさせながら、深々とお辞儀をしたカレンさんに、あたしは不覚にも泣きそうになった。


……そうだよね。

距離が遠く離れても、思い出はずっと心に残ってる。

皆そうやって、寂しさを乗り越えていくんだ。


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