コイツ、俺の嫁候補。
──言葉にならない。

声の代わりに、また熱いモノが込み上げてくる。

まさか覚えていてくれて、プレゼントまでくれるなんて……。



「今日、俺達ガラス工房に行ったんだよ。それとんぼ玉って言うらしくて、なんか気に入ったからお前にも……」

「……っ」

「縁?」



とんぼ玉と言うらしい綺麗なガラスを握り、涙をこぼすあたしの顔を覗き込む那央。



「……これよりジンギスカンが良かった?」

「違うよバカ」

「はは、冗談」



ぽんぽんと頭を撫でる那央を、涙を拭いながら見上げる。



「ありがと……本当にありがとう」



泣きながらも嬉しさを隠し切れない笑顔でお礼を言うと、那央も満足げに笑った。

なんかもう、今日は泣いてばっかりだ。

あたしはいつからこんなに涙腺が弱くなったのかな。



「今日、日付が変わってすぐに友達もお祝いしてくれたの」

「そっか。よかったな」

「うん。今までで最高に思い出に残る誕生日になったかも」



にこりと笑顔を浮かべると、那央は少しだけ真顔になってこう言った。

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