ワケあり!?社内恋愛
6章 キス
 
「高嶺さん、ランチ行こう?」
「え?」


お昼休み、急にあたしのデスクに、慣れない人がやってきて、そんな言葉をかけてきた。

そこにいたのは、
ついこの間、告白を断った人で……。


「ね。おいしいオムライス屋見つけたから」

「あ……は、い…」


爽やかに笑顔を向けてくる彼……倉永さんに、結局あたしは断ることができず、まさかの二人でランチをしに行くことにした。






「ここ、ここ!」


会社から、少しだけ歩いた場所に、こ洒落た小さなお店があって、そこに入った。

店内も可愛らしくて、女子が好きそうな感じ。

まさか、倉永さんが、こういったところを知っているなんて、驚きだった。


「高嶺さんはオムライスって、なんのソースが好き?」
「え?あー……やっぱデミグラスですかね。
 クリームとかも、レア感あって好きですけど」
「分かる!
 でも家で作るオムライスは、たいていケチャップで済ましちゃうよな」
「倉永さんって、料理とかするんですか?」
「まー一応。ずっと一人暮らしだからね」


やっぱり意外だ。

一人暮らしってのは想像ついたけど、料理をしている倉永さんの姿……。
思い浮かべると、少し違和感があった。
 

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