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念願だった彼氏



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念願だった彼氏

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あれから何日が過ぎた頃だろう。

多分2通目の手紙を出してから1週間くらいだ。



多美が私に、一人の男の人を紹介した。

多美の兄だ。



「和哉です。いつも妹と仲良くしてもらってるみたいで、どうも」



多美とはスッと横に切れた目がよく似てた。

でも性格は(第一印象だけど)多美とは正反対の、おとなしめで口数の少なそうな人だった。

私達より一つ年上で、隣街の高校に通ってるらしい。



「涼と撮ったプリクラ見せたら、和兄が会わせろってうるさくて」



多美が少しはしゃいでる。



「ばか!お前が会ってみろって言ったんだろ」


「何言ってるのよ、自分でしょー」



兄妹で戯れ合う姿は、どこか懐かしく見えた。

私も昔は、十とこんな風に言い合いをしたり、笑い合ったりして…。

私はあの時間を、自分から消し去ってしまったんだ。


それは自分の望みだったはずなのに、今はなぜか、こんなに切ない感情が蘇ってくる。



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