ずっと傍に‥。
こんなこと言って困らせることだけってのは分かってる…。


でも…もう見てるだけは嫌だから。



緋呂くん…あたし…



緋呂くんが‥好き…。


届かなくてもいい。
でもどうしても今日伝えたかった。
あたしの気持ち知って欲しかった…


緋呂くんに大切な人がいるってのも分かってる。


でも…もう隠せない。」



私はそう言って緋呂くんの目を見つめる。
案の定、緋呂くんは驚いた顔をしていた。



私は鞄に目線を向けて中から赤い箱を取り出した。


「これ…。受け取って?」



そう言って赤い箱を緋呂くんにあげた。




「陽菜ちゃ…」


「じゃあ…あたしはこれで……」



「待って。」



帰ろうとした時、緋呂くんに突然呼び止められた。



私は振り向かず立ち止まった。




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