ずっと傍に‥。

「まーた喧嘩してんの?」


「誰のせいだと思ってんのよ!」



睨み付けるように直弥を見る。でも直弥はさっきよりも笑ってあたしを見ていた。



直弥は緋呂と付き合う前に付き合っていた人。
別れた理由は…すれ違い。


別れ際にもう話さない。と約束して私たちは別れた。



話すことさえなかったのに、最近必要以上に話してくる直弥。


なにを考えてるのかさっぱり分からない。


「そんなにアイツはいい男なの?」


「へ…?」


「俺より…いい男なの?」



そんなふうに少し寂しそうに言う直弥は初めてだった。




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