わたしをみつけて

「…いすみはさ、私の何？」

「え…？」


混乱した。

"私の何…？"

どういう意味だろう。


「言い方を変えようか。私はいすみの何？いすみにとっての私は何？」

「あの、」

「答えて」


由利の表情は真剣そのものだった。
その表情に少し怯みそうになる。

伝えたいことはある。
でもそれを伝えることが怖かった。
伝えたら何か、変わってしまうような気がした。

だけど私が伝えられることは一つしかない。

由利は私の…。


「友達…だと思ってるよ。由利は私に出来た初めての友達。一人だった私を助けてくれた、大切な友達。…宝物だよ」


私は由利を真っ直ぐ見つめ、そう言った。

こんな風に思っているのは私だけかもしれない。
私と違って由利には沢山友達がいるから。


重い、って思われたかな。


でも本当のことだ。


「…そっか」


由利が小さな声で呟いた。

やっぱり、重かったかな…。