ガーデンテラス703号


どうしよう、と思いながらカフェのランチセットについてきたサラダにフォークを突き刺す。

迷いながら何度もサクサク突き刺していると、香織が手元のパスタをクルクル巻きながら話しかけてきた。


「でも、あゆかが思ったより元気そうで安心した。前に元カレくんと色々あったときはごはん食べれないくらい落ち込んでたでしょ。元カレくんの婚約はショックだけど、その様子だともうだいぶ吹っ切れてるんじゃない?」

「そう、だね……」

そうかもしれない。

風邪だって、しっかり1日で治ったし。


「元カレからの合コンのお誘い、受けちゃえばー?私、付き合うよ。来週の土曜日ヒマだし」

香織がパスタを口に運んだあと、にこりと笑う。


「え、それはちょっと……」

「えー、もったいない。新しい出会いがあるかもよ」

「それは、香織が出会いたいだけでしょ」

「バレた?それより、同居してるホタルとはどうなの?」

香織が次のパスタをフォークで巻きながら、いきなり話題を変えてくる。



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