抱きしめて。





「心陽ちゃん、ごめん…。俺そろそろ行くな…。」




いつになく雪さんの後ろ姿は切なそうだった。




もちろん、引き留めることなんてできなかった。





だってそうさせたのはほかの誰でもない。





私だから…。





初めて会った日にもシチューを作ってくれて、優しく抱きしめていてくれたのに。







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