音色
そんなあたしを見て奏はぎゅっと抱きしめた。

「やだ!やめてよっ‼︎」

あたしは奏の腕を解こうとしたけど、それ以上の力で奏はあたしを抱きしめる。


「奏がこんなことするからあたしだけ特別なのかなって思っちゃうじゃん!」


あたしがそう言っても奏は何も言わない。

「離してっ!離してよっ‼︎あたしたち、ただの同居人なんだから!……っ⁉︎」


あたしがそう続けて言うと、唇が塞がれた。
あたしは奏にキスされていた。


「…も、わかんない」

あたしは泣きながら奏の腕の中から逃げた。

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